突然、ブラウザから警告音やメッセージが流れてWindowsセキュリティの重要な警告と題したダイアログ(ウィンドウの一種)が表示されることがあります。内容は大体下記のようなもので、中にはマイクロソフトのマークが表示されているものもあるようです。
タイトル:
Webページからのメッセージ
内容:
Windowsセキュリティの重要な警告
Windowsセキュリティ&アンチウイルスサービスでエラーが発生しました。
フリーダイヤル
お使いのシステムのオンライン診断結果
Windowsは、お使いのシステム上で可能な主要なレジストリの障害を検出した可能性があります。
詳細については、フリーダイヤル:(03)-4590-0762で、カスタマーサポートにお問い合わせください。
(03)-4590-0762のWindowsサポートにお問い合わせください。
個人情報露出発生リスクの可能性
クレジットカード情報や銀行情報。
電子メールのパスワード、その他のアカウントのパスワード
個人Facebook、Skype、AIM、ICQおよびその他のチャットログ
プライベート/家族の写真やその他の機密ファイル
ウェブカメラ、VPN、ウィルス、ストーカーによってリモートアクセス
すぐに問題を修正し、データの損失を防ぐためにフリーダイヤル:(03)-4590-0762のWindowsサポートにお問い合わせください。
まず、文章から見ていきたいと思います。
・Windowsセキュリティの重要な警告
本文にはWindowsセキュリティの重要な警告とありますが、ダイアログの一番上のタイトルはWebページからのメッセージとなっています。この仕様はInternet Explorer 8からのもので、誤解を与えないように、webページからのメッセージはWebページからのメッセージと表示されるというものです。(以前はjavaなどのプログラミング言語でダイアログを表示させるとMicrosoft Internet ExplorerとかWindows Internet Explorerなど表示されて、あたかも本当にWindowsやInternet Explorerからのメッセージと勘違いされてしまう事がありました。)どういうことかと言いますと、「このメッセージはWebページが表示していて、WindowsやInternet Explorerからのメッセージではない」ということになります。ですから本文のWindowsセキュリティの重要な警告は真っ赤なウソということになります。
・Windowsセキュリティ&アンチウイルスサービスでエラーが発生しました。
仮にエラーがあったとして、それを表示するのはインストールされているセキュリティソフトで、Webページがセキュリティソフトに代わってお知らせすることはありません。
・フリーダイヤル
下にある番号は03から始まる番号。決してフリーダイヤルではありません。
・お使いのシステムのオンライン診断結果
具体的な理由が表示されておらず、可能性という言葉が目立ちます。つまり診断していないということです。
・Windowsは、お使いのシステム上で可能な主要なレジストリの障害を検出した可能性があります。
まず、可能な主要なレジストリの障害という言葉の意味が分かりません。レジストリの障害を引き起こすことは可能ですが、自ら進んでそれを行う人はいません。しかも検出した可能性があります、という言葉でさらに文章は混沌としてきます。レジストリというのはWindowsやインストールされているソフトウェアの設定を収めた隠しファイルです。確かにレジストリファイルが破損したり、誤操作した場合はWindowsが動作しなくなることはありますが、このようなメッセージを出すことはありません。
・詳細については、フリーダイヤル:(03)-4590-0762で、カスタマーサポートにお問い合わせください。
これがこのメッセージの目的ですね。電話さえさせればあとは何とでもできるということだと思います。実際に電話された方の中にはリモートコントロールソフトをインストールさせられたり、クレジット番号を聞かれたりしたとのことですから、絶対に電話してはいけません。もし、警告画面にマイクロソフトのマークが載っていて、どうしても心配な方は、マイクソフト テクニカルサポート 詐欺に関する苦情で報告することができます。それか、マイクロソフトのサイトからお問い合わせの電話番号を探して電話する事ができます。
・個人情報露出発生リスクの可能性・・・
突っ込みどころがありすぎてどうしようもないのですが、一つだけ言うとストーカーによってリモートアクセス、なぜにストーカー!?ハッカーじゃなくて!?しかもこの警告画面はわたしの何を知っているというのでしょう。謎です。
これだけ、文章について書きましたのは、焦っているとどうしてもおかしいことを見過ごしがちです。どれかでも記憶に残っていれば、落ち着いて文章を読むことができます。
仕組みについて
この警告画面、二重になっているのが分かりますでしょうか。下にも同じメッセージが書いてあるWebページがあり、そのWebページが警告画面のダイアログを表示しています。本体は下の画面で、そこからjavaというプログラミング言語を使ってダイアログを表示しているので、ダイアログを消してもまた表示され、下の画面はダイアログがブロックしてアクセスできないようにしています。
バリエーションについて
最近、マイクロソフトのマークがついている画面を見た、という報告もあります。たどたどしい日本語で女性がアナウンスするものもあるそうです。今のところ大体仕組みは同じものだと思われます。
対処方法
厄介なのはダイアログを消しても消しても再表示され、時に警告音が鳴り響くということです。結論から言うと消し方はブラウザ自体を✖ボタンで終了させるかタスクマネージャ等で停止させるしかありません。ただ、警告画面が表示されたアドレスにアクセスしなければ再び表示されたという事は聞いておりません。先日もウィルス駆除サポートでパソコンの中を隅々まで検査いたしましたが、感染しておりませんでした。それで、このタイプのものは仕組みから言ってウィルスに感染しているという可能性は低いと言えます。(ここでは一般的なお話しをしております。ウィルスに感染していないという保証はありませんので、心配な方は専門家に見てもらうことをお勧めいたします。)
予防について
セキュリティソフトの中には緑や赤のマークでサイトの危険度を表示するものもあります。そうした機能を使うことで未然に防ぐことができます。
去年流行した身代金ウィルスなど、ウィルス被害の深刻さが増大する中で、このような脅し的な方法もまだあり、憤りを強く感じます。少しでも難しいと感じたら一人で悩まず、専門家に相談されることをお勧めいたします。