7年ぶりにタイムドメインにお邪魔してきました。京都府と奈良県の境にある会社です。スピーカーシステムの開発をしておられます。ここのスピーカーの素晴らしいのは音色。生き生きしていて自然です。小さなスピーカーで再生していますが、低音もしっかり鳴っています。鳴っているといっても、普通に思い浮かぶ、あのドンドンとかボーンといった低音ではなく、本物の低音です。タイムドメインの低音はほんとうに自然で長時間聞いていても疲れません。
(2本そびえ立つのはYOSHII9)
JAZZからクラシック、POPS、ピアノだけのものからオーケストラ、ボーカル入りと様々なジャンルのCDを持参しましたが、どれも卒なく再生します。ソースによる得手不得手がないのがタイムドメインスピーカーの特徴です。その証拠に、ビデオカメラで撮った動画を再生すると、その時、その場所で聞いた音がします。タクシーの横切る音、自転車を避けるバイクの音、どれもがそのまんまです。
一旦、タイムドメインの音を聞いてしまうと、ほとんどのオーディオが人工的に作られた音を再生しているように思えてしまいます。
興味深いのは、普通のオーディオにあるグレードといった概念がこのタイムドメインにはないこと。YOSHII9と本当に小さいTIMEDOMAIN Lightでは、微妙な差はありますがほとんど同じ音を再生します。
(TIMEDOMAIN Light)
それは同じ理論に基づいているからだそうです。
納得です。
そもそも、オーディオにグレードを付けるとするならば、最高機種以外はわざとグレードダウンしていることになります。商売としてはアリかもしれませんが、少し嫌な気持ちがしてしまいますね。今日は由井社長ともお会いでき、たくさんのお話を伺うことができました。
音の三大要素は、音の大きさ、音の高さ、そして音色だそうなんですが、一番難しいのは音色だそうです。 そしてタイムドメインスピーカーはその点をクリアしているとのこと。
更に、 低音は大きなスピーカーで鳴らさなくてはならないといった、殆どの人が持っている固定観念のようなものは間違っていて、小さなスピーカーでもゆっくり動かして、低音の波形を出すことができればしっかりした低音は鳴らせる、 とか、 小鳥の小さなくちばしから発せられた”さえずり”が遠くまで聞こえるのであれば、小さなスピーカーからも遠くまで聞こえる音を出すことができる、 など、深く聞き入ってしまいました。
(説明してくださる由井社長)
最後に興味深かったのは、本当に良いものは売れないということ。技術者なら一度は感じるジレンマがここにもありました。過去にオーディオショップに置いてもらっても、(良心的価格の)タイムドメインばかり売れるようになるので、結局断られてしまうとのこと。
残念です。
それでも、扱ってくれる代理店さんもいらっしゃるそうで、そういったところが増えれば良いのに、と思います。毎週日曜日は午後1時から5時まで本社にて試聴することができます。 数日前に連絡しておけば、由井社長のお話が聞けるかも知れません。
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